すでにHPに掲載されたので、話題にしても良いと思う。
移転の話は、3月初めに聞いた。
正直に言って驚いた。
最近では、お店に何回か通い、山口さんと話をしている。
今の場所に移転して10年経ったという。
移転先は、神奈川県の秦野市。すでにHPでも地図が貼られている。
将来的な構想も聞いた。山口さんならではの素晴らしい話だった。
きっと実現すると思う。
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振り返ってみれば、Yrjö Kukkapuro(ウルヨ・クッカプロ)のプロダクトを扱っていると知り、お店にコンタクトを取ったのが、14年前だったと思う。
カルセリに代表されるように、クッカプロの作品は良いものがそろっている。
その時は、Remmiの二人掛けがHPで販売されたが、すぐに売り切れになった。
在庫の有無について、山口さんに問い合わせをしたのがきっかけだった。
それからずっと最近までクッカプロを取り扱っている。
クッカプロが今ほど評価を受けていなかった時から、大々的にプッシュしていたことは
記憶に新しい。
一番特徴的なことは、フィンランドに拠点を持っていることだ。
最近では、alvar/aino aaltoの初期の作品を扱う店は珍しくないが、
taloはその先駆けだった。
artekがvitraに買収される前に、単独で日本市場に上陸したことがあった。2012年だったと思う。
その時、日本代理店となったのが、北欧家具taloだった。
店舗にartekの管理職が出入りしていたのを覚えている。
そして、2014年、マガジンハウスのBRUTUSが特集した「木の椅子と木工」で山口さんが登場する。artekのスツール60を解説し、マガジンハウスの編集者にその魅力を伝授している。
おそらく、表紙を飾っているスツール60は、北欧家具タロの在庫品だったはずだ。
それと前後して、BRUTUS等で、artekのセカンドラインが紹介されるようになった。
セカンドラインは、arekを中心とする年代物のプロダクトを、artek自身が販売するという、当時としては画期的な店舗展開だった。
artekの代理店となる前から、北欧家具taloは、ペイントが剥がれた、シャビーな感じのスツール60などを積極的に取り扱っていた。
皆がaaltoの名前を知らずに、そういった色落ちしたプロダクトを購入したと当時、山口さんから聞いた。
artekのセカンドライン展開に際して、北欧家具taloが与えた影響は容易に想像できる。
私が知っている限りでは、馴染み客の良さというものも際立っていたと思う。個人情報の問題もあり、文字にすることはできないが。。。
もうひとつ大事なことがあった。
もちろん、後で知ったことだが、aaltoの唯一の日本人の弟子だった、武藤章氏が設計した、工学院大学・白樺湖学寮の保存に際して、山口さんは、室内で用いる家具等を選んでいる。
選定に際して、山口さんは、ビンテージに拘り、それが受け入れられたという。
そして、建築学科の学生を前に、aaltoの家具の講義をした。
武藤章氏は、aaltoのファンならば、おそらく知らない人はいないほどの知名度で、筆者も氏の著作を読んだことがある。
まだまだ、いろいろと話は尽きない。
廃業したわけではないので、新店舗の開店と新たな取組みに期待したいと思う。