この絵は、品川プリンスホテルの巨大壁画の下絵となったものらしい。
画家、小山敬三とその作品を知る人は珍しいらしく、写真を撮るときに奇異な目で見られた。
この絵の真下には、椅子が置いてあって、宴会に出席する人や宿泊客が座っている。
しかし、この絵を愛でる人は一人もいない。
小山敬三の生家がある小諸の駅前の書店では、小山の絵が何点か飾られて、販売されていた。
その後を継いだ書店では、小山敬三の紅浅間が一点飾られていた。だが、色褪せが激しく、全体が白色化していた。
どちらの書店も今はもうない。
「世評などはどうでも良い」と、この絵が語っているようだ。