予約していた「FOR YOU」が届いたのはもう一月以上前のことだった。
リアルタイムで聴き始めたのは、前作の「RIDE ON TIME」から。
そこから遡って聴いたものだった。
(写真には写っていないが、リイッシュー第2弾目の「RIDE ON TIME」が手元にある)
5月4日放送の「今日は一日”山下達郎”三昧 レコード特集2023」では、山下達郎自身の貴重な発言がたくさんあった。
もっとも印象的だったのは「(FOR YOURのような)あの音像は二度と再現できない」という部分だった。
音響面、予算の面、技量、レコーディングなどの音楽的なことも含めて、いろいろなファクターが合わさって、ピークになった時に作成されたそうだ。
こんなにキャリアと実力がある音楽家であっても、「二度と再現できない」と言わしめる何かが、この作品にはあると思う。
アルバムに関する個々の楽曲紹介の中で驚いたのは、"FUTARI"についてだった。
実は、当時からこの曲が大好きで、今でもカラオケで歌っているほど気に入っている。
アカペラとリズム隊、ブラス、ストリングスが織りなす重層的な構造の曲だが、とりわけ冒頭部分では、佐藤博のアコースティックピアノが印象的に響く。
すべて佐藤博に任せたそうだ。
佐藤博はアドリブを奏でた。
この曲の世界観は、世俗を圧倒するようなものだと思う。
すばらしい。