大手ストックフォトのamanaが主宰している、浅間国際フェスティバルは2018年にスタートした。
2018年と2019年は、長野県御代田町で開催され、コロナ禍にあった2020年は休止となった。そして、ことし2021年は、同県の小諸市で開催された。
直前の記事は、編集したうえで掲載した。継続性のある形で、この記事を書きたかったという、ただそれだけの思いからだった。
素人なりにも、私は常々、文化活動は継続的であるべきだと考えている。このフォトフェスティバルが4年の長きにわたって続いたことは、喜ばしいことだと思う。
会場となった小諸は、鎌倉時代から続く城下町で、江戸時代に隆盛を極めた。
小諸城址跡はしっかりと整備管理されており、一年を通して観光客が訪れている。
入り口から石畳を歩く。
大坪晶 Shadow in the House(2017年〜)
1817年に小諸藩主の牧野康長が建立した武器庫。庫内に作品が飾られた。
室内の中に、また室内がある。何とも言えない浮揚感のある空間。
伊藤昊 GINZA TOKYO1964(1964年)
山田梨詠 Family werden(2017年)
タイトルはドイツ語で「家族になる」の意味。日本やドイツで見つけた古い家族写真を使った作品。左側がオリジナルの写真で、右が再現セルフポートレート。
森山大道 光と影(1982年)
森山大道の代表作のひとつ「光と影」から3点を抜粋。長いスランプから脱した時期だったという。
二本木里美 '70s TOKYO TRANSGENDER(1970年代)
小池健輔 Unrest 他(2021年)
空き家となった、古い歯科医院内に3台の顕微鏡を設置。覗くと不思議な世界が展開されるが、残念ながら顕微鏡のレンズが小さすぎて、カメラの焦点が合わなかった。
森山大道 Stray DOg(1971年)
北国街道沿いにある「ほん町屋館」の外壁には、森山大道の代表作が展示されている。「ほん町屋館」は、昭和40年代まで味噌・醤油醸造を営んでいた商家跡。
水谷吉法 MOONLIGHT(2014年)
Vivian Maier Self portraits(1950年代〜1970年代)
江戸時代に小諸宿の脇本陣だった粂屋には、没後に評価が高騰したヴィヴィアン・マイヤーの作品が展示されている。
背筋がピンとなるような会場の雰囲気で、謎めいた履歴の作品を鑑賞した。
小諸城址は、私が半世紀以上通っている場所なので、展覧会の開催に携わったわけではないけれど、何だか感慨深いものがあった。
8月某日の出来事でした。