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知ったかジレッタントのお祭り

ときに偉そうに、ときに悲しげにカルチャーを綴ります

スカンジナビアデザインのこと⑦

ウェグナーは偉大なスネーカーマスターであり、偉大な家具デザイナーであり、建築家である。

私は彼を尊敬している。

1997年当時、ウェグナーは存命で各工房に通っており精力的に仕事をしていたと聞いていた。だが、日本では当時は、未だ「偉大な存在」ではなかったのが本当のところだ。

知っている人(もちろん私が入っている)が知っている偉人だった。

今は違う。

日本では、デンマーク家具=スカンジナビア家具=ハンス・J・ウェグナーだ。

ヤコブセンについても同じことが言える。

ビンテージ家具店でも、年代物の40万円のゲタマのソファが飛ぶように売れる。

死後、ますます彼の名声と価値は上がった。それは喜ばしいことだ。

ウェグナーのプロダクツは、私の活動の範疇から離れたのだと思う。

こういうことだ。

私は音楽が好きで、過去35年間、ジャズやクラシック、ポップス、ロックなどの音楽ソフトを買ってきた。

資金的な問題もあって、売り払ったものも含めると、3000~4000枚だけしか所有していないものの、

まあ、音楽好きの中に含まれると思う。

クラッシックでは、バッハは1枚、ベートーベンも1枚、ワグナーに至ってはゼロだ。

だが、ドイツからはクレームが来たためしがない。

なぜだろう。

分かるかい?

私が購入しなくても、すでに世界中が賞賛しているからだろう。

私が活動する余地はないし、これからも可能性はない。

それは暗黙の了解だと思う。

ウェグナーについても同じことが起こっている。

特に日本では。

1998年に購入した、Danish Design Centre刊行の「HANS J WEGNER on Design」(1995年)は今でも開いて読むことがあるんだ。Jens Bernsen著で日本語訳のバージョンだ。

未だに、他のデザイナー(スネーカーマスター)の本は持っていない。

そして、朝起きると、寝室のドアの隣にあるポスターを眺めるのが日課となっている。

このポスターは、1995年にウェグナーの回顧展が新宿のパークタワーで行われたときに発表されたものだ。ウェグナーの代表作を織田憲嗣氏がイラストで描いている。絵の下には、製造メーカーと品番、それに簡単な説明が書かれている。

織田憲嗣氏のDANISH CHAIRSは今でもリファレンスとして活用している。これも1998年に購入した。

*余談になるけれど、織田氏が、インテリア雑誌の「室内」で連載していたスカンジナビアデザインのイスの研究 が、いずれは出版されれば良いと思っているが、この不況では部数が見込めないうえ、価格も高価になってしま うだろうね。ともかく、あれは世界屈指の研究成果だと思う。もちろんイラストも含めての話だ。